石灰沈着性腱板炎
症状
40~60歳女性に好発する!
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◆腱、滑液包、関節周囲の軟部組織い石灰(リン酸カルシウム)が沈着することにより激しい疼痛がある。
◆夜間痛がある。
◆レントゲンにより腱板周囲に白い影が映る。*五十肩との鑑別をするために有効
◆腫脹、熱感、圧痛、運動痛が著明
◆外傷の原因もなく突然激しい痛みにおそわれる。
原因
突然の肩の激痛に要注意!!**************************************未だにはっきりとした原因は解明されていないが、ホルモンバランス(カルシウム代謝など)に何らかの異常が起こり石灰沈着が生じるものと考えられ、腱板部のあらゆる部位に発生するが、特に棘上筋腱に多いとされています。
特徴
4つの病期***************************************第1期(静止期)
◎石灰沈着が腱板内に限局している状態の時期。
・肩関節運動時に肩峰下面や烏口肩峰靭帯の間で石灰沈着をした腱板が圧迫を受けて疼痛を生じる程度。
第2期(隆起期)
◎腱板内に静止していた石灰沈着物が肩峰下滑液包まで隆起してくる時期。
・肩峰下滑液包全体に炎症が波及するため、耐え難い激痛を訴えます。*ピーク時:1~2週間
第3期(流出期)
◎腱板内から肩峰下滑液包まで隆起してきた石灰沈着物が、滑液包内へ流出する時期。
・その初期には強烈な疼痛を感じるが、やがて滑液包の貪食洗浄作用によって石灰物は吸収され、徐々に自然緩解に向かう。
第4期(消退期)
◎肩峰下滑液包内に流出した石灰沈着が吸収され、肩峰下滑液包が沈静化した状態。
*石灰が腱板の中にある間はあまり痛くないが、どんどんたまって膨らんでくると痛みが増してくる。腱板から破れる時に激痛となり、ピークに達する。
治療
炎症がきつい時はアイシング(冷罨法)を施し、テーピングや包帯、三角巾などで安静固定を行います。
痛みが軽減してきたら運動療法や手技療法、メディカルストレッチ、温熱療法などに切り替えて施術します。
◎長期に肩の痛みが持続すると拘縮を併発する場合があります。
◎痛みが完全に消失しても依然と石灰物が存在する場合があり、短期間で再発する可能性もあります。