頸椎後縦靭帯骨化症(OPLL)
概説
◎後縦靭帯は脊柱管(脊髄を通している連続した背骨のトンネル)の前面でかつ
椎体後面に位置し、背骨同志を連結する役目などがあります。
◎後縦靭帯が何らかの原因で骨化し、頸髄や頚神経を圧迫して
色々な症状を引き起こす疾患です。
◎アジア人に多く、男女別では2:1で男性に発症例が多く認められています。
(40歳以上に多い)
◎原因は不明で、遺伝的要因が大きく関与していると言われています。
症状
◎頸椎の可動域が減少することがある。
◎慢性進行性の経過をとるものが多い。
◆初期:頸部周囲の筋肉や肩甲骨部に痛みやしびれ(特に指先)が出現する。
◆中度:腕の痛みやしびれの範囲の広がり、下肢のシビレや知覚障害、
運動障害、手、指の細かい動作ができなくなる(巧緻障害)など。
◆重度:排尿や排便の障害や一人での日常生活が困難
◎神経学的には頸髄症の所見を呈する。
●知覚は手足の先で低下し、進行すれば体を含め全身に及びます。
筋力の低下も見られます。
◎症状は年単位の長い経過をたどり、良くなったり悪くなったりしながら
次第に神経障害が強くなっていく。
◎軽い外傷や転倒したくらいでも急に手足が動かしづらくなったり、麻痺が
残ったり、今までより症状がきつくなったりすることもあります。
治療
◎保存的治療は骨化によって圧迫されている神経を守る事が主目的になります。
●まず、頸椎の安静、安定を保つため、頸椎カラー固定をします。
首を後ろに倒すことは厳禁!
●温熱療法やストレッチングにより、周りの軟部組織を和らげ血流を促進させます。
●アイソメトリック運動を使い首の筋力をつけて関節にかかる負担を減らしていきます。