膝関節側副靭帯損傷
原因
~内側側副靭帯損傷~
膝の靭帯損傷の中では最も頻度が多い疾患です。
膝の外側から内側へ強い力が加わり内側側副靭帯が引っ張られ損傷します。
(外反・外旋強制)
これはとくに球技系のスポーツで多く見られサッカーやラグビーなどで横からのタックルやスライディングを受けた時やジャンプや急な方向転換を行った時などに発生します。その際、靭帯の単独の損傷もありますが前十字靭帯や半月板の損傷を合併している場合もあります。
~外側側副靭帯損傷~
膝の内側から外側に強い外力が加わり発生します。
接触プレイの多いスポーツに発生しやすく格闘技などの蹴りや急な方向転換、ジャンプ着地などで損傷しやすくなります。
単独での損傷は少なく腸脛靭帯や後十字靭帯の損傷をひき起こしている場合もあり、重症では、腓骨神経麻痺を合併することもあります。
症状
~内側側副靭帯損傷~
内側側副靭帯部の腫れ、痛み、熱感、発赤、機能障害の炎症症状がみられます。
~外側側副靭帯損傷~
ほぼ同じ
~靭帯損傷の程度~
1度:一部の断裂。圧痛の腫れがあるが徒手検査では動揺は認められない。
2度:中等度の断裂や靭帯付着部の剥離。強い圧痛や腫れや皮下出血、動揺が陽性
3度:完全断裂。動揺が陽性
~診断方法~
側方動揺テスト(内・外側)
アプレー牽引テスト(内・外側)
治療
~内側側副靭帯損傷~
急性期は”RICE”処置。(R…安静、I…アイシング、C…圧迫、E…拳上)
1度2度の靭帯損傷の場合は包帯やテーピングなどで2・3週間の安静固定を行い、痛みが引けば膝の安定性を獲得するため筋力強化を行い、超音波などの物理療法で血流を良くし治療します。
~外側側副靭帯損傷~
ほぼ同じ。靭帯付着部での剥離骨折がある場合は手術が行われます。